7年前を最後に訪れていなかった銚子・佐原
友人が「関東三大祭り – 佐原の大祭」があるとのことで、便乗させてもらった。
→友人のブログ
この友人とは過去にも日の出を見に行ったり、佐原を散策したりしたが、その後も何度か佐原に出向いているようで、オススメの祭りだそうだ。
東京駅集合、総武線を乗り継いで銚子電鉄で外川まで行き昼ご飯と散策。
折り返して夕方に佐原の祭りに行く予定。
銚子電鉄は電車と外が近いので手を出したら危ないくらい。
トウモロコシ畑がこれからと言わんばかりに広がってるのが◎。
少年も冒険モードw
ちょうど昼頃に終点の外川に着、情緒ある小さな駅だが目の前が緩い坂で下った先が海という風抜けの気持ちよい駅。
そこにはこんな手作り駅のような雰囲気が良い。
地元の中学校生徒会の花が駅にあるのも地域密着ならでは。
この駅での目的は、ご飯処なのだが、天気も良いので散策。
散策とはいえどお互いにカメラを持ち歩いてざっくりとした方角だけきめて、各々別行動。友人とは共通の趣味である写真の縁でいろんな場所に散歩しにいくが、お互いに干渉しすぎず、適当に歩いて路地で合流しては離れて、というこの”距離感”が絶妙にとれるのは、なかなか居ないもので、別行動とはいえこの距離感が同じ状景を共有しているギリギリのラインなので、1人旅でもなく2人旅でもなく1.5人旅の感覚が、この状況を味わうのにはちょうど良い。
朝は曇っていたが、この時にはピーカン。
カルピスか三ツ矢サイダーを自転車のカゴにいれて、レースしたくなるくらい。
それにしても人がいない、家屋にも気配を感じないので撮影所のセットかと思う、住民はみんなどこへ?
海岸沿いを歩いて昼食である目的地の”犬若食堂”に到着。
散策中には人がいなかったけど、ここにはバイカーや遠方からの人で、わりと賑わっている。
外観はいかにもだが、海の家の延長と思えば普通なのかもしれない。
今回はプランニングは友人に任せていたが「きたなシュラン」で見たことあったことに気づく。★★★だったから期待大!
やはりここに来たら海鮮丼のイメージだったが、
この店には無かった…華やかな観光人ターゲットでないのが良いところなんだけど、何にして良いのか迷う….
海鮮らしきものは、あずま丼というマグロ漬け丼を友人がオーダーしたので、せっかくなので冒険メニュー。「ベーボ定食」を頼む。巨大ツブ貝の刺身定食ということで、貝好きにはたまらない。
岩カキが残念ながら品切れ。
地元だけにその日ごとに状況が違うってのは、当たり前か。
あとは、タコ刺とサルエビの塩焼き。
想像を超える巨大ツブ貝にあっとうされながらも、食感の違う部分をハッキリと食べ分けられたし、肝(内臓)もデカイ!しかしながら、サザエなどとはかけ離れるくらいアッサリしていてエグい感じなく飽きずに食べられた。
友人のマグロ丼も味見したけど、そこそこパンチのあるワサビは自分好み。
タコ刺しは肉厚で文句なし、サルエビはちょっと塩が利きすぎだが酒には合うだろう。甘みは控えめだが歯ごたえと香ばしさはさすが。
もちろん、堪能できたし満足はしてるのだが、食べ物は全体的には納得の範囲で劇的な感動は薄かった….しかし、1品だけ友人を顔を合わせて唸ったのが味噌汁。つみれ入りの薄味なのだが、甲殻類のダシも出ている絶品もの。
甲殻類のダシだと、普通エグイくらいに存在感があるが、この味噌汁は大げさなダシの取り方ではなく自然にでた範囲の上品な仕上がりになっている。つみれも同様で臭みが無い。
店をでてから目の前のテトラと港をフラフラしながら、店のレビューをしあって最終的にはやはり
「あの味噌汁はヤバい」というのは揺るぎない感動であった。
その頃には、さらに陽差しも強くなって来ていたので、散歩の熱を冷ますべく、友人のお気に入りである”榊原豆腐店”へアイスを食べに行く。
店は開いてるけど、誰もいない。
豆腐造りの厨房までいってみても誰もいない…..試しに電話をしてみるけど出てこない…
友人がさらに奥までいくと、テレビに夢中だったという….ユル過ぎるw。
自分は王道のプレーンジェラート、そしてせっかくなので”ざる豆腐”を購入。
オニギリ2個分くらいのしっかり水気を切った豆腐が150円って安い…
水分抜くのに丸一日かかってるらしい。
豆乳ジェラードは、あっさりしていていつまでも食べられそうなくらい。
むしろもう少し甘さ控えめでも美味しい。
ここで、ざる豆腐と食べたらどうなるか…..うまい!
甘さが緩和され、食感も増えるし、豆腐の味も増すこれはナイスアイデア。
さて本日のメイン佐原へ向かう。
駅降りても人がいないので本当に祭り?と思う
残念ながら7年に感動した、たいやき屋は休業中。ここが自分の中ではNo,1たいやき。
10分程度で河川に近づくと賑やかになる。
友人オススメの生グレープフルーツサワーで乾杯。引き手の人は若い人も多い、ラフな格好が多いのでやはり地元感が強いが関東三大祭りとだけあって出店も多い。ただ、まだ本番的なものは始まってないので活気という面では拍子抜けな時間帯。
焼きまぐりや焼きそばを食べつつ、しばらくメイン通りを歩く。
通りにも、神社にも出店が一杯。
サムライがトロピカルドリンクを買っていたのは笑った。
若い女性も多かった、男子はせっせと祭りの準備。
裏路地では、ガキ大将が招集かけたり、サッカーしてたりと和む。
日が暮れてようやく提灯も点灯するが、一向に祭りは始まらない….
自分らは19時の電車で帰路の予定…しかたないので、電飾で飾られた風景だけ撮って駅へ向かう。
狭いエリアだが散策の距離は結構なもの、熱気で汗だくな身体が気持ち悪い。
「銭湯やってるかな?」の一言で、この友人とならではのイベントスイッチがオン。
とにかく汗が流せればということで、電車を1本遅らせて銭湯へ行くことにする。いくつか候補があったが、わりと検索上位にあった金平湯に決定。
うんうん、我々の求める地元で情緒ある銭湯な外観でテンションが上がる。
のれんをくぐると1枚の写真があった。
そこには、今は亡き地井武雄さんと女将さんの写真。
どうやら、ちい散歩に来たらしい。
おぞましい程の鳥肌が立った。
本当に偶然なのだが、今日のこの旅のサブテーマが「ちい散歩」的な旅と称していたのだ。
最後の最後に、とんでもないものを引き寄せてしまった事に言葉がでない…
偶然ではあるもののこの出来事は神秘の領域だわ。
興奮のまま、脱衣場に入ると全部で20畳ほどの小さな銭湯。
なんとタオルの貸し出し無料で入湯料300円は安い。
THE銭湯のごとく、壁には富士山の絵。
個人的に富士山の絵が描いてある古典的な銭湯は実は初めてかもしれない。
貸切状態なので、女将に話を聞いたり写真を撮らせてもらったり。
この銭湯は100年の歴史があるらしく、やはり入り口の写真は”ちい散歩”の時のもの。
洗い場の敷居も低いため、思ったよりも広々だし、年期は入ってるけど清潔感はある、とてもよい風呂だった。湯船につかりながら、この偶然の興奮を噛みしめながら想いに耽る。
R.I.P 地井武雄
ビン牛乳をぐびりとかわし、外へ出るとあたりは真っ暗。
しかし夜風が気持ちよ過ぎる!
地元の酒屋でチューハイを買って、もう一度乾杯。
至福とはこのことだ。
無論、電車では運良く東京まで、全部の乗り継ぎを座ることができたので爆睡しながら帰宅。
最近は、トレッキングやダイビングなどのアクティビティばかりだったが、以前はカメラだけ持ってよく散策しながらカフェ巡りをしたもので、久々にこういう大枠だけ決めてあとは現地のノリ次第というイベントは楽しかった。
本日のお気に入り。
路地裏の少年たち。
7年ぶりの佐原散歩+銭湯で奇跡
2012/07/23