NO.8

2004/06/01

私にとって家族のような存在。
いや、むしろ家族以上の存在かもしれない。
近く実家の車が廃車となる。日産キャラバン。
15年近く乗ってきたもので頻繁には使わないものの、大切な思い出づくりには必ず必要なものだった。
父から廃車の旨を知らされて、私の中で車が便利なものから大切なものへと変わった。とても都合の良い考えだが、無くなると言われるとそう考えてしまうのも仕方ないこと。とにかく”嫌だ”。と思った。
5月半ばに廃車が決まってからの1ヶ月、最期の思い出作りを考えていた。
特に学生時の親友達7名と今日の関係を作れたのも今となれば
彼(車)のおかげ、定期に開いていた、温泉やグルメ企画・・・。
思い出が作れなくなる悲しさ、彼のとの別れ。
最期にしたい事を酒を飲みながら友人に相談した。
昔の思い出、募る話の最後に。
その彼が忘れられない一言を言った…
「8人目だよな」
居酒屋で泣いてしまった。カウンター席に男二人。
しばらく、顔が、上げられなかった。(気持ち悪っ!)
3日後、父から、車が調子悪いという旨を聞く。
心配になり、実家に帰り、乗りにいってみた。
“エンジンがかからない”
まさか、そんな・・。
父に伝えると、「もう廃車だな」
最期の思い出企画まで、あと10日。
修理でどうにかならないものかを考え、慌てて馴染みの修理屋に
頼もうとする・・・GW、ゴールデンウィークこれをこんなにも恨んだ事はない、休みだそうだ。
どうにかならないものかと相談すると。
一度目を閉じたあと、私にこう言った。
「車が乗るなって言ってるんだよ。そんな感じじゃないか。」
父は、もう一度目を閉じた後。
「俺、そういう感覚、大事にしたいんだ。」
滅多に話すことない、父の言葉が、葛藤と無念に包まれた私にとっては
無情とも言えるコトバとなる。
(そういう感覚、大切だな、そう言われれば、そうだよな・・)
でも・・・嫌だもう一度だけ乗りたい。
自分も確かに大切にしたい感覚はある。
でも・・・父に遠出をしないことを約束として頼むと父は、無言で鍵を渡し、布団に入った。前から予定していた友人には、最悪の場合の条件も前もって伝えることにした。当日エンジンがかからないかもしれない事、途中で止まる危険性がある事。東京から1時間半以上、埼玉の友人はもっとかかるだろう道のりにしてはリスクがでかすぎる。
当日は横浜集合。
私は前日から実家に帰り、朝を待つ。
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朝、無事にエンジンがかかって良かった。。。
横浜駅で友人達をピックアップ、1名は後から合流予定。
まずは自分が育った地元。
団地で育った日々、母の駄菓子やがあった商店街を散歩。
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朝、最高のドライブ日和!
闘魂ならぬガソリン注入。
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遠くまで行かないって約束だったのに・・・・・・・
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江ノ島〜〜!!!!!
いったれ、いったれ。
今年初海です、はしゃぎましたよエエ。
時間も忘れて。
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エンジンをかけるたびに、ハラハラだったが万事順調。
途中合流の仲間をピックアップして、本牧のカフェへ。
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最高のラストだよ、仲間に囲まれてさ。
いなくなるの寂しいよ。
でもよかったね、君には仲間がほら。
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雨漏りするし、ラジオ入らないし。音楽も奇跡的に聴けるか聴けないか。
おまえがもっと小さかったら、親父に内緒でポケットにしまってしまおう。
そしたら、今度は俺がいろんなとこに連れてってやるよ。
運転席。
いつもと変わりない、エンジンの音。
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アルバム作ったら・・・見せに来るから。